【お土産NFT】お土産NFTが地域経済に与える影響

第15弾の地方創生Web3研究所の記事テーマは『お土産NFT』です。

新型コロナウイルスの影響により、現在も地方の観光業界は苦境に立たされているのが現状です。

その中で、仮想通貨やNFTなどの新しい技術を活用し、新たな価値を創出する取り組みが行われるようになりました。

今回の記事では、お土産NFTの活用事例をご紹介します。

今回の事例から、観光業界におけるNFTの価値創造と、それが地域経済にどのような影響を与えるか解説します。

目次

お土産NFTと

お土産NFTとは、ブロックチェーン技術を活用して作られたデジタル記念品です。観光客にその地域固有の文化やアートをデジタル形式でお土産として持ち帰ることを可能にします。NFTは所有権の透明性をブロックチェーン上で確認することで、偽造や複製が困難です。お土産NFTは所有権を証明し、希少性を担保するデジタルアセットとして「ここでしか得られない体験」を提供することができます。

観光客は、旅行先で体験した美術品や伝統工芸、イベントチケットなどをデジタルアイテムとして購入し、所有することができます。これらのデジタルアイテムは、地域のアーティストや職人によって作成されたり地域の文化財を利用されることが多いため、購入を通じて地域経済の支援にも繋がります。

さらに、お土産NFTを通して観光客に対し継続的にPRを行うことが可能です。お土産NFTを表示するアプリから旅行先のイベント情報や魅力を共有することで観光客の再訪を促すことができます。

お土産NFTが地域経済に与える影響

お土産NFTの実施は、地方経済に大きな影響を与えます。これまでの地方の経済活動は農業や漁業など一次産業、観光業など三次産業が中心で行われていました。

今後はNFTの技術を導入することにより、新たな経済圏を作り地域経済を活性化する可能性が高まると期待できます。

財源確保

NFTの販売は資金調達の手段として挙げられます。実例として株式会社あるやうむが実施したふるさと納税NFTではふるさと納税した寄付者にNFTを送付する取り組みで多くの資金を集めました。地方自治体がNFTを発行し販売することで、その売り上げを地方自治体の財源確保につなげられます。

さらに、NFTには資金を集めるだけでなくNFT保有者に対して地域の情報を発信したり特典を付与するなどPRを行うことができます。これにより、地域とNFT保有者のつながりを保ち、関係人口の拡大が期待できます。

地域資源のエコシステムの構築

エコシステムの定義は、同じ領域で暮らす生物や植物が相互に関わり合いながら成り立つ生態系のことを指します。ビジネス業界では特定のプロジェクトやサービスに関わる全ての要素や参加者を含む、成長している産業や企業間の協力関係をエコシステムと称します。

NFTの技術を活用することで、地域資源をデジタル化し販売するエコシステムの構築が可能になります。例えば、滋賀県彦根市彦根城で実施されたカメラフレームNFTは、文化財×NFT技術を組み合わせた販売方法です。文化財とNFT技術を掛け合わせることで高い付加価値の提供が可能になります。

このように、観光地の文化財や景観をNFTにして販売をする取り組みはこれらの維持管理するための資金確保に繋げることができ、結果として地域の観光施設・文化施設を保全するエコシステムの構築を促進させます。

引用:滋賀県彦根市HP

観光客の誘致および再訪の促進

NFTはブロックチェーン技術を活用したデジタルアセットです。地方の名産品や伝統工芸品をNFT化することで「ここでしか得られない独自の体験」を提供し観光客の誘致が期待できます。

さらに、お土産NFTには再訪促進の機能を付与することが可能です。例えばNFTを保有していると再訪した際に、特別な割引が付与されるクーポンを提供する方法です。これにより、観光客は再訪する動機づけが与えられ、観光地に対する愛着が湧きます。

また、観光者の滞在が終了した後にもお土産NFTは地方のPR手段として活用することができます。NFTをコレクションするアプリを通して、イベント情報やふるさと納税の案内など地方に関する情報を継続的に発信。観光が終わった後にも観光客と地方が繋がりを継続的に保つことで、再び観光しに来たい気持ちを促進する効果が期待できます。

関係人口の創出

関係人口とは、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。

全国規模の人口減少、少子高齢化によって地方の人員不足問題は年々深刻化しています。このような状況に対して、近年では定住人口を増やす取り組みにならび、地域外から関心をもつ関係人口を増やす取り組みが注目されるようになりました。

お土産NFTを利用することで街の魅力や情報を伝え、外部からの消費と訪問者数の増加を目指しつつ、継続的なコミュニケーションで街への関心を高め「関係人口」を拡大する見込みが狙えます。

引用:総務省HP

シティプロモーション効果

シティプロモーション効果とは、地域の魅力を発信し、観光客の誘致、地域産業の活性化、居住者の増加などポジティブな変化をもたらすことを指します。

お土産NFTのようにNFTを利用した取り組みは、デジタル技術の最前線を用いた革新的な取り組みとして注目を集めやすく、自治体の先進性を国内外に対してアピールすることができるようになります。

また、NFTを通じて地域の文化や名産品のPRをしていくことも可能になります。

お土産NFT事例

1、御朱印NFT(三重県明和町)

一般社団法人明和観光商社は三重県明和町の竹神社に参拝した方に御朱印をデザインしたNFTをコレクションし、周辺施設のクーポンを獲得できる「e御朱印」の頒布を開始しました。

竹神社に参拝した方はQRコードを読み取ることでe御朱印のNFTを取得できます。

種類は全部で12種類。

複数の御朱印NFTを集めると、地域の店舗で使える特別クーポンや特製カレンダーなどのプレゼントを獲得できます。

引用:HANA-MEIWA(はなめいわ)

2、スマホdeおみやげ(三重県松阪市)

株式会社Digittleがリリースしている「スマホ de おみやげ」はデジタル上で地域のお土産を配布したり販売できるDXサービスです。

観光客はスマートフォンを介してデジタルお土産を受け取ったり、購入を申し込み、端末上のアプリでNFTを収集することが可能。

さらに、デジタルお土産を受け取った方に観光時に活用できる観光マップや、限定クーポンなど特典を付与することで観光客の満足度向上に繋げることができます。

スマホdeおみやげ第一弾では、三重県松坂市で行われるイベント、「松坂城跡桜ライトアップ」に来訪した人に松阪の礎を築いた武将・蒲生氏の家紋「対い鶴」をモチーフにしたデジタルお土産を配布しました。

引用:プレスリリース

3、お土産フォトフレームNFT(北海道紋別市)

お土産フォトフレームNFTは株式会社あるやうむが開発した商品。二次元コードが記載されたカードを購入しスマホで読み込むことでNFTを取得。専用サイト「フォトメイト」でウォレットを接続すると、専用のカメラフレームで好きな場所や人と撮影して楽しむことができます。

北海道紋別市では、「オホーツク流水科学センター」と「ガリンコ号」の2箇所でお土産フォトフレームNFTを実施しています。

また、オホーツク流水科学センターはフォトフレームNFTを購入した時に受け取るカードにはオホーツク海にちなんだクイズが書かれており、NFTの説明欄に答えが書かれています。これによりNFTを受け取りながらオホーツク海の生き物についても学ぶことができます。

引用:プレスリリース

お土産NFTが地域の活性化につながる

この記事では、お土産NFTの事例を紹介しました。

文化的価値のデジタル化地域経済の活性化などお土産NFTには幅広い経済効果をもたらす可能性がありますね。

また、NFTはインターネットがなくならない限り、半永久的に残り続ける特性があります。

半永久的に保管し続けることができるお土産NFTは、旅先の思い出を永久に保管できる特別な資産といってもいいでしょう。

そんな特別な体験ができるお土産NFT。

みなさんも旅先で体験し、手に入れてみてはいかがでしょうか。

たか

Web3ブロガー。

NFTやDefiなどWeb3の情報を自身のブログサイトで発信しながら、コミュニティでwriterとして活動中。

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