皆さま、こんにちは。シンジモティのユキです。
今回は第14弾の地方創生Web3研究所の記事になります。『JPYCでふるさと納税してみた』というテーマで、JPYCを使ったふるさと納税の方法を解説してみました。
JPYCは日本初のステーブルコインで、ブロックチェーンによる「高いセキュリティ」と「コストの低さ」から新時代の決済手段として非常に注目されています。一方、ふるさと納税は、地方自治体へ寄付をすることで、税制上の優遇が受けられる有名な制度ですね。
JPYCは、今後、日常生活の様々なシーンで活用されることが期待されています。しかし、まだその知名度は暗号資産に詳しい方が中心です。そんな中で利用者も多い行政制度である「ふるさと納税」にJPYCでの決済が採用されるのはとても画期的です。
この記事では、JPYCを使ったふるさと納税の具体的な手順を詳しくお示しするとともに、今後の展開への期待についても解説いたします。
JPYCによるふるさと納税の方法のみを知りたい方はこちらをクリックしてください。
日本初のステーブルコイン「JPYC」とは
JPYCは、日本円に「1JPYC=1円」で固定されている、前払式支払手段(プリペイド型)のステーブルコインです。
ステーブルコインとは、取引価格が安定することを目的に米ドル・日本円・金などの「資産価格と連動するように設計」されたトークンです。JPYCは100%の裏付け資産を円もしくは国債等で法務局に供託しており、1JPYCが常に1円の価値を持つように設計されています。
また前払式支払手段というのは、身近なものだとプリペイドカードがこれに当たります。プリペイドカードは、先にお金を支払っておき(前払い式)、後日カードを使うことで、その金額に相当する商品やサービスを購入することができます(支払い手段)。
JPYCも、JPYCを前払いで購入することで、後日支払い手段として使用できます。このような扱いになることで、JPYCは、実際に使用した金額分を1JPYC=1円で会計処理できることも、大きなメリットです。
もちろん、JPYCは通常使用も簡単にでき、インターネット上のVisa加盟店なら世界中どこでもクレジットカードと同じように使える「Vプリカギフト」などと交換して日常のお買物に使うこともできます。
他の仮想通貨と比較して、JPYCはその価格の安定性と会計上の取り扱いにより、日常的な取引に適していると言えますね。
ふるさと納税の仕組み
すでにご存知の方も多いと思いますが、ふるさと納税の制度についても簡単に解説いたします。
ふるさと納税は、応援したい自治体への「寄付」と「税制上の優遇」を組み合わせた日本の行政制度です。この制度を利用することで、寄付者は地域社会への貢献とともに、所得税や住民税からの控除が受けられます。
「ふるさと」納税と言われていますが、自分の故郷にしか寄付できない訳ではなく、全国の応援したい自治体に対してふるさと納税を行えば、税制上の優遇を受けることができます。
寄付の流れは簡単で、ふるさと納税のポータルサイト上で多くの自治体が寄付を受け付けています。また、多くの自治体は寄付者に対して様々なお礼の品を提供していて、こちらもふるさと納税をする大きな魅力になっています。
ただし、寄付の上限額や返礼品の選び方には注意が必要ですので、ご注意ください。
JPYCでふるさと納税する方法
2023年11月14日にJPYC株式会社のプレスリリースで、徳島県海陽町でのJPYCを使ったふるさと納税が開始されると発表されました。
この発表を見て、私がJPYCを使ってふるさと納税したいと思った理由は、単純に経験としての興味とステーブルコインを使ったふるさと納税に将来的な行政サービスの革新を期待をしたからです。
近年、暗号資産の世界は急速に発展していますが、まだまだ一般の方が日常利用している訳ではありません。そんな中で、JPYCのように安定した価値を持つステーブルコインは、暗号資産による決済と伝統的な決済をつなぐ橋渡しのような役割になると期待しています。その第一歩として、JPYCを使ったふるさと納税は、とても意味のある制度だと感じました。
また将来的にはブロックチェーン技術を用いて、寄付資金が指定した用途に使われているかを可視化できるような制度の実現が期待されます。
それでは、実際にJPYCを使ったふるさと納税方法について解説します。
JPYCでふるさと納税する方法
JPYCを使ったふるさと納税は、
- JPYC商品券の購入
- JPYC商品券でふるさと納税を行う
という2段階で行います。
なぜJPYCで直接ふるさと納税するのではなく、「JPYC商品券」を使うのかという点については、先ほどのプレスリリースの中で以下のように発表されています。
「ふるさと納税の再開について関係各所と連携・相談しつつ、まずは紙型JPYC「JPYC商品券」を発行し、これを用いてふるさと納税を行うこととなりました。今後は電子型(サーバー型)JPYCでの決済にも対応してく予定です。」
引用:PRTIMES
詳しい理由はわからない所もありますが、まずは紙型の「JPYC商品券」で支払いという安定した形でスタートした上で、各所との調整が完了すれば、通常の電子型JPYCでの決済にも対応することのようです。
電子型への対応が楽しみですが、今回は紙型JPYC商品券を使ったふるさと納税の方法について詳しく解説します。
まだ、JPYCを持ってないという方は、以下のサイトを参考にしてJPYCを購入してください。日本円の銀行振込で簡単に購入できますよ。ただし、JPYCでふるさと納税できるのはPolygonチェーンのJPYCのみなので、お間違えなく。
1.JPYC商品券の購入
まずは、JPYC商品券購入の手順を解説します。
まず、海陽町のふるさと納税返礼品リストを確認しつつ、ふるさと納税したい寄付額を決定してください。
海陽町は「阿波尾鶏」のブランドで有名な企業が立地しているので鶏肉の返礼品が多いですね。また、海産物も豊富な町なので伊勢海老などもおすすめですよ。(※2023年のふるさと納税申込は終了しています。2024年分の開始をお待ちください。)
次に、必要事項をGoogleフォームに入力していきます。
①メールアドレスを入力(JPYC社から連絡が届きます。)
②購入目的(海陽町ふるさと納税)を入力。
③氏名(漢字)、氏名(カナ)を入力。
④配送先郵便番号、配送先住所を入力(JPYC商品券が届く住所)
⑤配送先氏名(漢字)入力。
⑥連絡可能な電話番号を入力。
⑦購入するJPYC商品券(1枚1万円)の枚数を入力。寄付する金額分を入力してください。
⑧送信元ウォレットアドレスを入力(JPYCが入っているウォレットアドレスを入力)。
⑨「JPYC商品券利用規約」「プライバシーポリシー」を一読の上チェックし、送信をクリック。
※ウォレットアドレスやJPYC商品券が送付される住所などお間違えなく入力してください。
登録したメールアドレスにJPYC株式会社からメールが届きます。そのメールに記載されたウォレットアドレスにJPYCを送信してください。(※2023年12月現在はPolygonネットワークのJPYCのみ受付け。)
JPYC社からJPYC商品券が郵送されるので、指定した金額の商品券が到着しているか確認を行なってください。
2.JPYC商品券でふるさと納税
次に、JPYC商品券を使って、ふるさと納税する方法について解説します。
JPYC 公式サイトから①、②の「海陽町ふるさと納税」をクリック。
①メールアドレスを入力。
②氏名(漢字)、氏名(カナ)を入力。
③返礼品コードを入力(こちらの返礼品リストの左肩に書かれている番号です。)
④寄付金額を入力。
⑤返礼品備考欄(念の為、注文する返礼品の名称を入力。)
⑥寄付金の使い道を選択。
⑦郵便番号、住民票の都道府県、現住所を入力。返礼品の配送先を選択。
⑧現住所と別の配送先を希望する場合入力。
⑨ワンストップ特例申請の希望を選択。
⑩寄付のきっかけを選択。
⑪連絡可能な電話番号を入力。
⑫氏名・住所・寄付金額の公表を許可するかどうか選択。
⑬「JPYC商品券利用規約」「プライバシーポリシー」を一読の上チェックし、送信をクリック。
JPYC社から受付完了メールが届きますので、1週間以内にメールに記載の住所へJPYC商品券を郵送してください。
送付先の住所はこちら:〒100-0004 東京都千代田区大手町1丁目6-1 大手町ビル4階 FINOLAB内「海陽町ふるさと納税」係(2023年12月現在)
JPYC社から「JPYC商品券到着のお知らせ」のメールが届き、ふるさと納税の手続きが完了です。返礼品の到着をお待ちください。
以上で、JPYCを使ったふるさと納税の手続きは完了です。
返礼品が届くのを楽しみにお待ちください。
まとめ
この記事では、JPYCを使ったふるさと納税について解説しました。
現在のところ、紙型のJPYC商品券を利用しなければならないなど使用面での課題はあります。ただ将来的には電子型JPYCによるふるさと納税を目指しているとのことなので利便性の向上にも期待したいですね。
何よりステーブルコインを活用することで、将来、ふるさと納税の使途をブロックチェーンにより可視化するといった革新的な制度ができる可能性もあるため、その第一歩として、JPYCを使ってふるさと納税ができることは意義深いと感じています。
また、JPYC株式会社と株式会社あるやうむは、返礼品NFTに特化したふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税NFT」上でのJPYC決済の導入や、JPYCによる納税の実現に向けて業務提携を行なっています。
将来、JPYCを使ってふるさと納税NFTが手に入れられるようになるかもしれないと考えると、とても楽しみですね。
最後まで、記事をご覧いただいてありがとうございました。
皆さまもJPYCを使ってふるさと納税を体験してみてはいかがでしょう。新しい知識を得られる楽しさと、地域社会への貢献を体験することができますよ。