第9弾の地方創生Web3研究所の記事テーマは『ReFiと地方創生の可能性』です。
「ReFi」という言葉を聞いたことありますか。
web3やブロックチェーンなどに馴染みのある方々でも、
この言葉は、あまり聞き馴染みがないのではないでしょうか?
SDGsなどに代表されるように世界の気候変動が問題視されています。
そんな中、今、このReFiに注目が集まってきています。
今回は、「ReFi」の概要から、事例紹介、そして、ReFiと地方創生の可能性について考えてみます。
ReFiとは何か
ReFiとは
Regenerative Finance (ReFi)とは、「再生金融」と訳され、持続可能な未来を目指し、
「環境保全」と「経済活動」の両立を目指した新しい金融の形です。
ブロックチェーンの技術を活用し、環境問題や社会問題に取り組む人や事業に対して、トークンを通じて、経済的なインセンティブをもたらします。
環境破壊(搾取)よりも環境保全(保存/再生)する方が、
メリットがあるような仕組みをブロックチェーンを通じて実現しようとしています。
ReFiの語源はDeFi
Defiは、ブロックチェーン技術を活用した分散型金融。
全ての人に公平に金融サービスを提供することを目標に掲げています。
ReFiは、このDefiの理念を受け継いでいます。
Defiの金融システムを活用し、社会の持続可能性を追求するという目標を持っています。
ReFiの事例紹介
ここからは、ReFiの活用事例を紹介します。
ReFiの領域で今、盛り上がりを見せているのが、カーボンクレジット。
カーボンクレジットとは、二酸化炭素の排出削減証明書です。
「京都議定書」や「パリ協定」にて、二酸化炭素の排出量を削減することが取り決められ、各国に目標数値が存在します。
その目標に達成できない場合は、目標以上達成している国からカーボンクレジットを買い取ることで、目標を達成しています。
① カーボンクレジットNFTの売買プラットフォーム【Nori】
Noriは、カーボンクレジットを売買するプラットフォーム。
Noriでは、このカーボンクレジットをNFTとして売買することが可能です。
国家間だけではなく、企業や個人でも売買が可能。
二酸化炭素を多く排出している企業や個人でも、カーボンクレジットNFTを購入することで、二酸化炭素の排出削減目標の達成に貢献することが可能になりました。
② 植林を通したカーボンクレジットNFT発行の【NFTree】
NFTreeは、植林による二酸化炭素削減をブロックチェーンの技術で証明するプラットフォーム。
「Micorriza」と「Crown Platform」の共同運営。
この技術を通じてカーボンニュートラル(相対的なCO2排出量ゼロ)を目指し、
生態系保全の新しい解決策として始動したプロジェクトです。
③ CO2吸収量によって変化するNFT 【SINRA】
SINRAは、「自然資源の再生」と「持続可能な地域経済」の両立を目指した日本発のNFTプロジェクト。
購入するタイミングやCO2の吸収量によって、色やデザインが変化するジェネラティブNFTを生成する。
このNFT 販売による利益は、自然資源保護者や地域に還元され、さらなる自然の再生や地域経済の活性に利用されます。
三重県尾鷹市とのパートナーシップにより、第一弾NFTが8月に販売されました。
④ ReFiに特化した分散型コミュニティ【ReFiDAO】
最後に紹介するのは、DAO(分散型コミュニティ)です。
ReFiDAOでは、投票機能や投資機能があり、気に入った組織やプロジェクトを支援する機能があります。
実際に、AIやブロックチェーン技術を通した環境や社会問題の解決するプロジェクトに多数、支援をしています。
すでに24カ国で20以上のイベント開催実績があります。
ReFiのメリットとデメリット
ここからはReFiのメリットとデメリットを考察します。
ReFiのメリット
・ 透明で公平な経済的インセンティブ
・ 国家間だけではなく、企業や個人でも取引可能
環境活動や社会貢献に対して、今までにはなかった経済的なインセンティブが提供できるようになります。
また、ReFiはブロックチェーンの技術を用いているので、可視化され、公平。誰にも改ざんすることはできません。
また、国家だけでなく、企業や個人、プロジェクト単位で、カーボンクレジットの売買が可能になりました。
ReFiのデメリット
・ 認知や情報が少ない
・ 運営が困難
しかし、デメリットもあります。
まだまだ認知が少なく、情報もありません。
ブロックチェーンやNFTが一般的に受け入れられるまで、
もう少し時間がかかりそうです。
そして、最大の課題は、ReFiやDAOの運営が難しいことです。
経済システムを構築すること、また DAOという新しいコミュニティの構築/運営は、
前例が少なく、人材も少ないです。
まだまだ、DAOやDeFiがうまくいっている事例は少ない状況です。
運営困難なReFi
二酸化炭素の削減という意味では「STEPN」もReFiに含まれます。
STEPNとは、シューズNFTを購入すると歩数などに応じて、トークンが稼げるWeb3アプリです。
乗り物の利用を控え、運動を促し、金銭的なインセンティブも与えていました。
STEPNのホワイトペーパーにもカーボンオフセットの記載があり、
先述のNoriにも支援をしています。
このSTEPNも一時はブームになり、多くの資金やユーザーを獲得しましたが、
そのブームは一過性のものでした。(現在もアプリを使用することはできます。)
ReFi×地方創生の可能性
カーボンクレジットの売買が、ブロックチェーンを通じて企業間や個人間でも簡単にできるようになるとすれば、
農業や林業などの第一次産業従事者の新たな収入源になるでしょう。
そして、
これまでは、植林などの環境保全活動は収益化が困難だったので。
「慈善事業」や「ボランティア」として活動が行われてきました。
ReFiを通じて新たな収益源となることで、
企業が社会問題を「事業(ビジネス)」として取り組むことができる。
環境保全活動が新たな収益源となれば、
地方で暮らし環境保全活動に従事する人も大きな恩恵が受けられることでしょう。
まとめ
今、注目を集めつつあるReFi。
しかし、ReFiが世の中に浸透していくためには、ブロックチェーンやNFTの発展が欠かせません。
「株式会社あるやうむ」は、NFTによる地方創生を推進しています。
この記事を通して、1人でも多くの方がブロックチェーンやNFTに親しみ、
地方創生の課題や社会問題の解決に関心を抱くことを願っています。
この記事を書いた人
ちげ(@crypto_chige)
副業ブロガー、複数DAOにて活動中。
SNS/ブログ発信は「NFT、仮想通貨、副業、ブログなど」
「NFT × 地方創生」で地元を盛り上げようと鋭意活動中
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