前回の記事では、hiroさんが主催するスマホ・パソコン相談会に約30名が集まったエピソードをお伝えしました。
今回は、「寄附だけで終わらない」ふるさと納税の取り組みについてです。 ふるさと納税の返礼品を受け取って、それで終わり——。多くの自治体が抱えるこの課題に、machiDAOはどう向き合ったのか。寄附者と町の関係を「一度きりの取引」で終わらせない仕組みは、果たして実際に動いているのでしょうか。
返礼品を受け取って終わり、からの脱却
余市町のふるさと納税はウイスキーや海産物を中心に多くの寄付を集めてきました。しかし寄付者にとって余市町は「美味しいものが届く場所」にとどまりがちで、町への愛着や再訪にはなかなかつながらない。
machiDAOが取ったアプローチは、返礼品の先にコミュニティ体験を用意するというものでした。
ふるさと納税をきっかけに余市に興味を持った人が、machiDAOのDiscordやLINEオープンチャット「しりべしる」に参加し、余市の日常に日々触れ続ける。「寄付者」から「余市の今を知っている人」へ、段階的に関係を深めていく設計です。
寄付者が自腹で余市を訪れた2日間
この仕組みが形になったのが、2025年11月1日〜2日に開催されたウイスキーオーナー向けイベントです。ふるさと納税で余市町の「ウイスキーオーナー」となった方々を対象にした自治体公認の企画で、参加者は計7名。


少人数に見えるかもしれません。しかし「ふるさと納税の寄付者が、返礼品を受け取るだけでなく自腹で町を訪れた」という事実は、関係人口づくりの最も具体的な一歩です。
イベントでは、希望者にhiroさんが余市町内のショートトリップを案内しました。ヴィンヤードの風景を歩き、ニッカウヰスキー余市蒸溜所を巡りました。
パンフレットには載っていない余市の空気感を、実際に暮らしているhiroさんの言葉で伝えるからこそ、参加者との間に「人対人のつながり」が生まれます。この実績は余市町の公式広報誌にも掲載されました。


Discordの仲間が鹿肉BBQに集まった日
寄付者だけではありません。2025年7月2日には、machiDAOやシン地方DAOのコミュニティメンバーが余市を訪れるDAOコミュニティツアーも実現しています。
ワイナリー見学と海辺の撮影のあと、hiroさんの自宅で鹿肉バーベキュー。旅行会社が組む観光ツアーとは明らかに違う空気感です。参加者はDiscordで何ヶ月も会話を重ねてきた「すでに知り合い同士」。だから初対面なのに、最初から深い交流ができる。
この企画が成り立つのは、hiroさんがオンラインコミュニティを日常的に運営しているからです。毎週のワークショップ、ビーチクリーンの報告、特産品のプレゼント企画——その積み重ねの先に「余市に行こう」と実際に動く人が生まれると考えます。
「また行きたい町」が少しずつ増えている
余市産フルーツの詰め合わせプレゼント、LINEオープンチャットでのたらこ物語詰め合わせ企画など、来訪しなくても余市との接点をつくる仕掛けも動いています。
当選者がSNSに「余市のりんご、美味しかった!」と投稿し、それを見た他のメンバーが反応する。大きな予算をかけずに口コミの連鎖が生まれるのは、コミュニティがあるからこそです。
ふるさと納税の寄付者が実際に町を訪れ、Discordの仲間が鹿肉BBQを囲み、特産品を受け取った人がSNSで余市を紹介する。ひとつひとつは小さな動きですが、すべて1人の隊員の活動から生まれていることを考えると、地域おこし協力隊DAOの仕組みが持つポテンシャルが見えてきます。
次の記事では、余市での実践が国際カンファレンスの壇上にまで広がったエピソードと、約2年間の活動の振り返りをお伝えします。
あわせて読みたい:【余市町】地域おこし協力隊DAO第一号はなぜ余市町だったのか(実績・事例紹介①)
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