【地方創生×DAO】日本DAO協会設立の意義

目次

はじめに

最近では、地方創生という言葉もすっかり定着し、地方で何か貢献したいという人たちも増えてきました。一方で、同じような想いを持った人が継続的につながることのできる場や、資金面からそれらをサポートする仕組みがなかったり、働き方の自由度が制限されていたりと、なかなかそれぞれが持つポテンシャルをよりよく活用してソーシャルな課題解決を当たり前のように実現できるような土壌がなかったように思います。

今回の日本DAO協会の設立によって、DAOという仕組みが一定程度制度化、標準化され、地方創生の領域においても、活動の可能性がグッとレベルアップするような、そんなイメージを持っています。

「日本DAO協会のロゴ」は
自律分散型の組織を表すティール組織の「ティール」を
テーマカラーに

日本DAO協会設立

2024年4月1日、日本DAO協会が設立され、事務所となる東京・恵比寿の Crypto Cafe & Barで、設立記者会見が行われました。
まだまだDAOってなんだお?という人が多い中、なぜ今このような協会が設立されたのでしょうか。

(日本DAO協会 Xより)

DAOとは?

「DAO(Decentralized Autonomous Organization/ダオ)」は、中央集権的な管理者が存在せず、共通の想いを持った参加者の投票によって運営方針を決定していく自律分散型の組織のことです。

日本DAO協会HPより)

私も、これまでさまざまなDAOとよばれるコミュニティに関わり、いわゆるDAO活を日常的に行ってきましたが、DAOについてはイマイチ掴みどころがなく、コミュニティの延長くらいのイメージしか持ち合わせていませんでした。その要因の一つは、今現在、これはDAOだというコンセンサスのとれた組織が存在していないことが大きい気がします。それゆえ、これはDAOだとか、こんなのはDAOではないとか、あまり建設的でない議論が発展の足枷となっていたような気もします。

記者会見の行われれた恵比寿の Crypto Cafe & Bar

設立経緯

今回の日本DAO協会の設立は、RULEMAKERS DAO(RMD)というDAOによって実現されました。RMDは、ルールメイクで日本を良くすることを目指し、国のルールメイキング・民主主義を刷新し、起業家等のチャレンジャーがチャレンジできるよう様々なルールメイキングを行っているコミュニティです。

日本DAO協会設立までの経緯は以下のとおりです。

2023年4月
「web3ホワイトペーパー 〜誰もがデジタル資産を利活用する時代へ〜」において、合同会社型のDAOについての言及

2023年11月2日
RMDから自民党web3PT(自由民主党デジタル社会推進本部 web3プロジェクトチーム)に対しDAO新法案を提言

2023年11月~12月
自民党内においてDAOを実際に活用している事業者を中心にハッカソンを実施

2023年12月末
RMDからの最終提言

2024年1月24日
自由民主党政務調査会-デジタル社会推進本部 web3PT 会議
「合同会社型DAO」の実現へ デジタル本部・web3PTが提言取りまとめ

2024年1月26日
自民党デジタル社会推進本部(平井卓也本部長)のweb3プロジェクトチームが、DAOに関するハッカソンの結果を踏まえた提言を鈴木俊一金融担当大臣に提出。
「合同会社型DAO」の実現へweb3PTが提言

2024年4月1日
合同会社型DAOによる資金調達に関する府令改正の公布(同月22日に施行)

web3ホワイトペーパーから1年足らずというスピード感で、日本DAO協会の設立と府令改正が行われました。改正定義府令の施行は4月22日で、以下のRMD公式Xからその内容を確認できます。

(RMD Xより)

私にはこれを読んでもさっぱり解読ができませんでしたが、、RMDの資料によると、ざっくりこれによりDAOでの資金調達が可能になったとのことです。

一定の条件を満たす合同会社型DAOの社員権トークンについて、一項有価証券から、二項有価証券になることで、自己募集に係る業規制や開示規制(50%超有価証券投資の場合を除く)が適用されない形となる見込み(=DAOの形での資金調達の解禁)

(RMD説明会資料より)

日本DAO協会のめざす世界とは

「あらゆる垣根を越えて、共通の想いを持った人々が協働し、自らが望む未来を実現していく世界」

日本DAO協会HPより)

DAOというものを私なりに解釈すると、全ての人に可能性が開かれ、それぞれの持てる能力を最大限活用できる場といったイメージです。一方で、完全に自立分散な組織というのは不可能に近く、DAOという手段を活用しながらいかにリアルな社会に落とし込んでいくかがカギではないかと考えています。

そして今回の日本DAO協会設立と府令改正は、DAOの理想と現実の狭間で彷徨っていた人々にとって、一つの突破口となるのではないかと感じています。

記者会見に集ったDAOに想いを持った仲間たち

今回できるようになったこと

今回の日本DAO協会設立と府令改正でできるようになったことを、かなりざっくり2つにまとめてみました。

  • 合同会社型DAOが設立できるようになりました。
    社員権トークンによる資金調達が可能になり、さまざまな人々がDAOに参加、出資したり、貢献に応じた利益を受けられる仕組みを構築することができます。
  • 日本DAO協会が、法的に認められるDAOを認定します。
    業界自主規制団体として日本DAO協会が一定のモデルケースやルールを示し、組織づくりの一つの選択肢としてDAOの活用がより身近になります。

おわりに

web3領域では何となく遅れをとってきた感のある日本ですが、今回のDAOに関するルールメイクは世界に先駆けてまさにDAO的に行われました。今後DAOにおいて重要な役割を担うであろう日本DAO協会においても、それ自体、DAO的な組織として運営されており、誰もが参加することができます。

この新しい時代の動きに興味のある方は、日本DAO協会のDiscord(コミュニティツール)に参加し、情報に触れたり、自分のスキルに応じて貢献することもできます。

日本DAO協会Discord
https://discord.gg/7g5j5emzeH

参考)日本DAO協会運営形態

この記事を書いた人

sabii

塩漬けVRゴーグル活用家

どこでもドアを使いこなし、VRゴーグル塩漬け民を救うプロジェクト(ひげ部)をときどきやってます

最近は、VRを活用した地方創生、コミュニティ活性化にコミットしています🐱

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