ふるさと納税の返礼品として日本で初めてNFTを採用した北海道余市町。ふるさと納税NFTの取り組みに関して担当の糠塚様にインタビューをさせていただきました。
あるやうむとはどのように出会いましたか?
2021年の11月末に町長と畠中の共通の知り合いから「ちょっと糠塚、話聞いてみて」と言われて、あるやうむと出会いました。もともと自治体通信に載っていた広告を見ていたので、「あのチラシの会社か」とその時は思いました。
ー糠塚様も、弊社のことをご存知だったんですね。
なんか面白いことしているなと(笑)
当時の私はNFTのことも、暗号資産もよく分からなかったけども、それを活用した何かをやろうとしているんだな、と興味を持っていました。あと、その2年前くらいに町長に、「ふるさと納税とNFT、メタバース、何か組み合わせてやってみて」と指示があったので、関心自体は持ち続けていたんです。
ー先見の明がすごいですね(笑)
そんな事もあったので、今回の機会は逃せないチャンスだと思いました。
ー全く新しいことを初めてやることに対しての不安はなかったんですか。
ありましたけど、うちの町長が責任を取ってくれるだろうという安心感もありました(笑)本来、我々は一番下のポジションなんですけど、例えば行政内のチャットツール上で新しいことを提案してもすぐレスポンスをもらえるので、すごく近い距離で仕事をさせてもらっています。
なぜふるさと納税NFTに挑戦しようと思いましたか?
先程の2年前に町長からのメッセージがあったこともありましたが、私としても楽しいことが好きで、NFTは伸びる伸びると言われている産業だったのに、どこの自治体も手をつけていなかったので、余市町でもやって、NFTとかWeb3の知識を高めておきたいという気持ちもありました。あと、NFTを理解するにつれて、NFTは自治体が使うことで本来の価値を生み出すことができる可能性を感じました。
ーどんなところで相性が良さそうだと思われたのですか。
よく自治体で、ふるさと納税の返礼品に町民証を送る自治体があるんですよ、その町民証を持って自治体に来たら、アイスクリームを50円引きで食べることができる特典みたいなものがもともとあって。そういったものが、NFTで簡単に実装できるのはすごい良い取り組みだと思いました。
どのようなことを意識してNFTの設計をしましたか?
第一弾の返礼品企画では、「ただNFTをやってみました」の取り組みで終わらすのではなく、その返礼品NFTを持っていると何か良いことができる仕様にすることは気をつけていました。あとは、ふるさと納税の仕組みを使ったものなので法令の遵守をすることにはかなり気を付けていました。
ーワインの抽選券にした理由はなんでしょう。
それこそ、NFTが余市町のファン会員証になると思っているので、余市町のファンになる人はだれだと考えた時に「ワインが好きな人」であると考えたからです。さらに、NFTをきっかけに余市町のワインのファンになってもらいたい思ったからです。
リリースした後の反響はどうでしたか?
リリースしたときの所感については反響がすごく、問い合わせをたくさんいただきました(笑)あと、「先進的な取り組みをする自治体はかっこいい!」などとSNSでお褒めの言葉をたくさんいただいたので、それはすごく嬉しかったですね。
ーほかの職員さんからも話題にされたりすることもあるのでしょうか。
それがですね、NFTというのはまだ世間には広まっていないじゃないですか、余市町のような小さな町役場ですと、「なにそれ?」みたいな反響も多いんです。役場内でのNFTの認知度はまだ低いと感じていますね。だからこそ、進めやすところもありますが。
一度、他の町の議会の方々がふるさと納税NFTについて聞くために余市町を訪ねてきて、そういった時は通常、課長級の人が説明をするのですが、「この領域に1番詳しい人間」として、私が対応したこともありました。
今後あるやうむと挑戦したいことはありますか?
これまで、poki先生とのミニコレクティブルNFT、My Crypto HeroesのNFT、CryptoNinja PartnersのNFTと、新しい分野での取り組みを行ってきました。これからもこういった新しい取り組みを行っていって、NFT保有者の分母が1,000人を超えたくらいからオンラインサロン化ができるようになると、またできることも増えていくので、そういったところまで進めていきたいですね。あとは、転売制限が解除されたらまた面白くなると思いますが、ふるさと納税の制度に載せる上ではなかなか難しいと捉えています。ですが、いろんな可能性を楽しみにしています。
ーなぜ、オンラインサロンやコミュニティを作りたいと思われているのでしょうか。
それこそ「関係人口」という言葉が出てきている理由に繋がりますが、地方の人口は減っていってしまって、余市町も昔は4万人3万人いて、今では1万8千人です。人口減少を止めることはできないのですが、所得はもっと高くしていって町を持続できるようにしようと考えています。その中で、余市町にいなくても、余市町を盛り上げてくれる人が増えれば、余市町はもっと活性化するのではないかと思っています。そこで、オンラインサロンを通じて、住所は持っていなくとも、余市町民のような形で、この町に関わってくださる方々が増えるようになると良いなと願っています。
ー本日は、ありがとうございました。